子どもの近視抑制治療 MYOPIA

近年増えているお子さんの近視

近年はスマートフォンなどの一般化もあって、近視にいたるお子さんが増えています。実数値として、1979年には視力が1.0以下のお子さんは、高校生で53%、中学生35.2%、小学生で17.9%でした。これが2017年には、高校生62.3%、中学生56.3%、小学生32.5%と明確に増加していることがわかります(文部科学省:学校保健統計調査を参照)。
その一方で、医療技術の発達とともに近視のメカニズム解明も進んできたため、進行を抑制する治療も発達してきました。当院は小児眼科を設置していることもあり、点眼薬やコンタクトレンズを使った近視の抑制治療に力を入れています。
現状は近視を元に戻すことはできませんが、進行を抑制することや予防はできますので、近視の兆候に気づいた場合、できるだけ早く当院にご相談ください。

※2019~文部科学省「学校保健統計調査」より

お子さんのことでこんな気になることはありませんか?

  • 眼を細めてものを見る
  • 近づいてテレビや本を見る
  • 学校の視力検査で視力低下を指摘された
  • 父親または母親が近視になっている

お子さんが近視になってしまう原因

現代社会はスマートフォンやパソコンの画面を見続けることや、デスクワークなどが増えたことで近視が増加しています。これは世界的に見ても、「先進国」と言われる国で共通して現れている現象です。
予防するための方法や目に負担をかけにくい生活の仕方も解明されていますから、ぜひ早めに眼科医に相談してお子さんの近視を予防・抑制していきましょう。

近視抑制のための検査と治療

  • 視力検査(自覚検査)

    お子さんに慣れた視能訓練士が在籍しているので、リラックスした雰囲気を作りながら正確な検査ができます。
    また、目の緊張を除去するための雲霧法やトリック法も提供しています。

  • 屈折検査(他覚検査)

    専用機器を数秒ほど覗き込んでもらうだけで、近視や遠視・乱視の状態確認ができます。

治療方法

メガネ・コンタクトレンズによる視力矯正

視力の低下や見えにくさを感じた場合、メガネやコンタクトレンズで視力を矯正することができます。
メガネは、「見えにくい」日常生活の不便さを少なくするものと考えられがちですが、近視の進行を抑制する効果もあります。近年の研究では、遠くが見えやすいようにメガネの度数を調整することで、近視の悪化を防げることがわかってきているのです。

点眼液を使った近視進行予防

低濃度アトロピンを0.01%濃度で点眼することで近視の進行抑制が期待できます。
この薬液は近視の悪化予防効果があるうえに、副作用が非常に少ないというメリットもあります。日本ではまだ使用率は少ないですが、近年注目されている薬剤です。

近視の進行を抑える点眼薬
「マイオピン®」

低濃度アトロピン(0.01%)を含む点眼薬として、当院はマイオピン®という薬剤を採用しています。シンガポールの国立眼科センターで研究開発された点眼薬で、お子さんの近視を抑制する効果がすでに報告されています。点眼回数は1日1回で済むので、お子さんの負担も大きくありません。
※近視の進行を抑制する薬剤であって、治すものではないことはご理解ください。

このようなお子さんを
対象としています

  • 軽度、または中等度の近視の方
  • 4歳~12歳の学童期の方

費用

マイオピン(0.01%配合) 3,500円(税込)
マイオピン(0.025%配合) 4,000円(税込)
検査費用 2,000円(税込)

注意事項

  • 点眼薬から感染が起こる可能性はあるので、ご家族の中でも使いまわしは行わないでください。
  • 点眼薬の使用期限は1ヶ月です。感染症予防の観点からも、1ヶ月を経過したら廃棄してください。
  • 使用開始からしばらくの間は、起床時の瞳孔の状態確認をお願いします。瞳孔が開いている場合でも、まぶしさを強く感じやすくなるだけで日常生活は可能です。とはいえ状態によっては暮らしにくさを感じることもあるので、その場合は点眼を夕方に行って朝の影響を弱めるなどの処置を行います。まずはご相談ください。

日常生活でできる近視予防

外遊びは近視を減らす

野外で多く遊ぶことは近視のリスクを減らすことが分かっています。1日2時間以上が理想とされていますが、それ未満でも意識的に外遊びを取り入れることをおすすめします。

近くを見る作業は、休みながら実施

ゲームやスマホで動画を見るなどの時間が長いほど、目への負担は蓄積します。1時間ごとに5~10分程度は休憩することや、長時間の使用を避けることを習慣づけましょう。

スマートフォンやゲームは良い姿勢でみる

読書をするときやスマートフォンを見るときは、目をある程度離すことや正しい姿勢を取ることをおすすめします。
近くを見続けると、眼軸長(角膜から網膜までの距離)が伸びて近視になりやすいですし、斜めに見るクセがあると、片方の目だけ眼軸長が伸びることで近視が促進すると考えられています。
また、勉強するときや仕事をするときなども、できるだけ背筋を伸ばして、本やパソコンの画面と適切な距離を取るように心がけましょう。

明るい環境で見る

暗い場所で本を読むと近視のリスクが上がる可能性があります。読書するときや勉強するときなどは、適切な明るさを保つように意識しましょう。

質のよい睡眠をとる

睡眠が不十分であったり、睡眠の質が低かったりすると近視になる可能性があります。スマートフォンやパソコンからはブルーライトが発せられており、覚醒作用があるため、寝る前に見ることは好ましくありません。就寝前の2~3時間はパソコンやスマートフォンを見ることは避けましょう。
また、睡眠の質を良くするためにも、昼には意識して光を浴びること、睡眠前は穏やかな明かりにすることなども心がけましょう。

予防は早めにとりかかる

従来は、近視が始まるのは8歳くらいからとされていましたが、近年は6歳くらいから近視になるお子さんが増えています。放置すると近視は進行しますが、その抑制のために、ぜひお早めに当院にご相談ください。

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