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国民皆保険の事 3
私はボストンに留学させていただきましたので、アメリカでの健康保険についてお話ししたいと思います。
日本と違い、扶養という概念はなく、家族全員で1つの保険に入り、支払う保険料は勤める研究室により異なっていました。当初、私の年俸の方が高かったので、年収とは関係ないと思います。
そして内容的には、内科と歯科にしか受診できませんでした。健康診断も予防接種も体調が悪い時も最初にPCP(プライマリィ ケア フィジシャン)という「総合内科医」がすべての病気を診察するというシステムです。日本では「健康診断は自費」になりますから、大きく違いますね。
まず、自分の保険を扱っている病院のホームページを見て、この先生という担当を自分で決めて、申し込みます。つまり予約を取るという事です。そして、初回は健康診断を受けるという流れです。
私たちは幸い医療通訳さんがいたので、アドバイスを受けれましたが、ラボメンバーのイラン人はどんな医師を選べばいいか全く分からないので、写真を見て、笑顔が気にいって、ハーバード出身だからと言う理由でPCPを決めたそうです。で、予約日が休診になったから予約ずらしてくださいと連絡を受け、怒ってました。その連絡で予約日が変えれるのではなく、自分で予約を取り直せと言われたからです。
ちなみに彼女はフィラデルフィア大学卒でイタリア人に間違えられることが多く、イラン人だと言った途端、周りが離れていくと言っていました。日本人は大好きだと、お国柄発揮していました。
最初に私たちが入った健康保険は、若い人と、そうでない人を年齢で分けていて、そのおかげで月々支払う保険料が安かったのと、毎回受診した時に払う自己負担金は、夫も私も子供たちもそれぞれ5ドルでした。(当時は約500円、安い!)
その後、私が転職して、新しい研究室では月々の保険料が倍ほど上がってしまいましたが、自己負担金は同じく5ドルでした。日本では私も夫もそれぞれ健康保険料を払っていたので、実質1人分程度の金額で4人ともカバーされているというお得感はありました。ちなみに転職時に年俸は減ってしまい、夫の方が高給取りでした。ただし誤解しないでください。「私よりも」なだけで、研究職としてのお給料は決して高くありませんでした。
そして、新しい保険は眼科も受診できるものだったので、眼鏡処方を目的に受診しました。が、オプトメトリストが担当するだけで、眼科医には会えませんでした。苦笑
ここまでだと、アメリカの医療の方が良かったという話になりそうですが、そう上手くは行きませんでした。次はトラブル編です。
